日本の保険会社で貯蓄型保険(積立)に加入する落とし穴

日本の保険会社で貯蓄型保険(積立)に加入する落とし穴
私の叔母が住友生命に20年以上勤めているキャリアウーマンなのですが、
親戚という事もあり叔母の契約で住友生命の生命保険、積立保険、住友ファンドに加入しています。
叔母が20年以上一生懸命に続けて来た仕事なので悪く言うつもりは微塵もありませんが、
日本の保険会社で積立をする事には大きな落とし穴があるので、その事実だけはしっかりと書き示そうと思います。
大前提として、やらないよりはやった方が良い
当然ですが、やらないよりは将来の為にやっておいた方良いです。
何故なら、今の銀行金利なんて無いに等しいからです。
年利0.001%の金利ですから1,000万円の預金があって年間で100円増える程度。
365日中1度でも時間外にATMで引き出した瞬間に手数料で元本割れという現実です。
画像で分かる通り1975年辺りと1980年辺りでは、ゆうちょ銀行の金利が12%なんて時代もありました。
全体的に見ても今の金利とは文字通り天と地ほどの差があります。
なので金利が高かった当時は
「給料を全額銀行に入れておく」
が正解でした。
しかし、今は高金利だった当時とは状況が全く違います。
銀行に入れておいても全く増えないどころか、寧ろ手数料で元本割れしますから、
銀行に入れておくメリットはほぼ無いと言えます。
なので、やらないよりは積立運用をして行った方が将来の為になるというのは当然です。
日本の保険会社での積立は△
とは言え、日本の保険会社で積立運用して行くことは正直言って微妙です。
(私も叔母の契約で住友生命に積立していますが・・・汗)
やらないで銀行に寝かせておく(死金)よりはマシですが、マシというだけで本当に微妙。
何故日本の保険会社で積立運用して行くことが微妙なのかは、金利が低い事もありますが、
それ以外にも担当者が教えてくれない "大きな落とし穴" があるのです。
契約満了時に必ず受け取らなければいけない
担当者が教えてくれない大きな落とし穴とは、
日本の保険会社で積立運用をしていく場合
「契約満了時に必ず受け取らなければいけない」
場合が多いのです。
この、必ず受け取らなければいけないという部分が大きな落とし穴で、
営業マンや担当者はここを絶対に教えてくれません。
何なら、営業マン自身も気付いていない可能性があります。
それくらいに盲点なのです。
え?それって当たり前じゃないの?
契約満了時に積立金を全額受け取る。
これって当たり前だよね?何がおかしいの?
はい。私も最初はそう思っていました。
完全に盲点でした。
しかし、金融セミナーで学んで来た今ならこの落とし穴を理解出来ます。
必ず受け取らなければいけないという部分がリスクになり得るのです。
契約満了時点での「円」の価値が円高か円安か分かりますか?
1ドル=○円の様なレート表記を、ニュースや街中やWebなどのどこかしらで目にされたことがあると思います。
参考までに、この記事を書いている2021年11月25日午前7時時点では1ドル=115.42円でした。
これはつまり、115.42円を出せば1ドルを買えるよという意味であり、
1ドルを出せば115.42円を買えるという意味です。
では、20歳から日本の保険会社で積立運用を始めて60歳で受け取るという40年契約をしたと仮定しましょう。
今から40年後、契約満了時点でのレートが「円高」なのか「円安」なのかを的確に言い当てる事が出来るでしょうか?
私は正直、不可能だと思っています。
40年後の時点で「円高」なのか「円安」なのかなんて全く予想出来ません。
というより、それが分かるんだったら自分でFXをやった方が良いですね(笑)
「円高」「円安」を一応おさらい
一応「円高」「円安」についてをおさらいしておきますね。
理解されている方は読み飛ばしていただいてOKです。
円高…円の価値が高いこと
円安…円の価値が低いこと
ここは文字通りなので問題無いと思います。
勘違いしやすいのはこの次です。
1ドル=90円
1ドル=110円
どちらが「円高」で、どちらが「円安」か分かりますか?
ちなみに私は小学生だったか、中学生だったか、
学校の授業でこれをやった時は「1ドル=90円が円安」で「1ドル=110円が円高」だと思ってました(恥ずかしい)
90円より110円の方が高いから1ドル=110円が円高、
110円より90円の方が低いから1ドル=90円が円安という考え方を当時はしていたのだと思います(恥ずかしい)
正しくは、
1ドル=90円の方が円高
1ドル=110円の方が円安
です。
「1ドルを購入するのに円がいくら必要か?」
で考えると分かりやすいと思います。
1ドル=90円というレートなら、90円で1ドルを購入する事が出来ます。
一方で、1ドル=110円というレートだと、110円出さないと1ドルを購入する事が出来ません。
どちらの方がお得にドルを購入する事が出来ているか?を考えれば、
1ドル=90円というレート時の方がお得にドルを購入出来ていますよね。
つまり、1ドル=110円の時よりも1ドル=90円の時の方が円の価値が高い(円高)という事になります。
契約満了時点の円レートが「円安」だったら…
勘が良い方ならもう、日本の保険会社で積立運用をする大きな落とし穴にお気付きだと思います。
「契約満了時に積立金を全額必ず受け取らなければいけない」
これは、その時点での円レートが「円高」だろうが「円安」だろうが関係無く、必ず受け取る事になります。
円の価値が高い「円高」の時に満期を迎えれば良いですが、逆に、
円の価値が低い「円安」の時に満期を迎えてしまうと最悪です。
例えば契約満了時の受け取り総額が4,000万円だったと仮定すると、
1ドル=110円(円安)
…363,636.3ドルと同等の円を受け取る事になる。
1ドル=90円(円高)
…444,444.4ドルと同等の円を受け取る事になる。
約8万ドル分もの差が生じるんですね…(驚愕)
つまり日本の保険会社で積立運用する事の大きな落とし穴とは、
受け取り時の「円高」「円安」を自分の意思でコントロール出来ないという事です。
満期が来てしまえばその時点での円レートが「円安」だろうが問答無用で受け取るしか無いのです…。
選択肢が「継続」か「解約」の二択
受け取り時の「円高」「円安」を自分の意思でコントロール出来ない他にも、
契約〜満期を迎えるまでの選択肢が「継続」か「解約」かの二択しかないという微妙過ぎる点があります。
当然ですが満期を迎える前に解約をしてしまえば、
それまでに積み立てて来たお金は、全額は返って来ません。自分のお金なのにです。
積立総額が500万円時点で解約した場合、仮に50%が返還されるとしても、
250万円は返って来ますが、残りの250万円は保険会社に取られます。
20歳〜60歳までの40年間、どんなトラブルがあるか分かりません。
コロナの様な感染症が原因で収入額が下がってしまい、毎月の積立が厳しくなってしまうかもしれませんし、
事故、病気などで働けなくなってしまうかもしれません。
先日私の親父が入院しましたが、自分自身は健康であっても自分の親族など身近な人が怪我、病気、介護などになる可能性だってあります。
結婚だってするでしょうし、お子さんも生まれるかもしれません。
私事ですが2021年8月には、月初に同級生の結婚式があり、月末には親族の葬儀がありました。
ちなみに葬儀にかかる費用ってどれくらいか知っていますか?
プラン次第でピンキリですけど、2020年の全国平均は119万円だったそうです。
40年という期間の中で良い事も悪い事も、どんな事が起こるか分かりません。
自分自身の健康や怪我に関しては自分でコントロール出来る部分もありますが、
他者のおめでたやご不幸は全くのコントロール外なので、突発的にお金が必要になる事だってあり得ます。
そんな時に、積立金を少し引き出したりする事も出来ないというのは使い勝手がかなり悪い印象です。
中途解約すれば返戻金はありますが全額は返って来ないので、自分のお金なのに大半は保険会社に取られてしまいます。
(それを狙った契約内容になっているというのもある)
怪我、病気、介護、リストラ等、収入面も何が起こるか分かりませんから、
積立を停止出来たり、減額出来たり、
その辺りが自由にコントロール出来る内容だったら便利なのですが、
残念ながら日本の保険会社の積立運用ですとそれが叶わないのが現状です。
打開策は海外積立
収入が減ってしまったから積立額を減額したり、
怪我、病気、介護、リストラ等で収入が大幅に減ってしまったから積立を停止(解約ではなく)したり、
この様な細かいコントロールが出来れば良いのですが、日本の保険会社ですとこれが出来ない場合が多いです。
こんな痒い所に手が届くのが海外積立の存在でした。
増額も、減額も、停止も自由にコントロール出来るので使い勝手が非常に良いです。
また、日本の保険会社ですと契約満了時に積立金を全額必ず受け取る事になる契約が多いのですが、
海外積立ですと契約満了後も「受け取る」か「運用継続」かを自由に選択出来たりします。
保険会社にもよりますが私が海外積立している所ですと契約満了後も最長で99年まで運用継続が可能なので、
「円安」「円高」「ドル安」「ドル高」などの状況を見て受け取る時期を自由に決めれますし、
自分では受け取らずに名義を配偶者や子供にしてあげる事も出来るという点が柔軟性に長けているなと感じています。
あとは、根本的な事ですが利回りが高いですね(笑)
「海外積立って手数料が高いやん」
稀に浅はかな人(過去の自分)からこんな事を言われたりもします。
はい。日本と比較して手数料が高いのは間違いないです。正解です。
ただし、本質がずれてます。
手数料の高い低いよりも、
手残りが多いか少ないかの方が重要でしょう。
A、手数料は低いが手残りが少ない。
B、手数料は高いが手残りが多い。
手数料を加味した上での手残りが少ない方が好みでしたら、そちらを選択されれば良いだけの話です。
私は手数料込みでの手残りが多い方が好みなので、日本の保険会社から海外積立にシフトチェンジしただけです。
まとめ
日本の保険会社であっても積立運用をしないで死金にするよりは、運用してあげた方が将来の為になります。
しかし、減額出来ない、停止出来ない、引き出せない、契約満了後の継続が出来ないなどの制限も多いので柔軟性に欠けるなといった印象です。
そんな痒い所に手が届く存在が海外積立
私の中での評価としては、
海外積立>日本の積立保険>銀行預金>たんす預金
この様な順位です。
日本の保険会社で積立運用していた時は契約満了時の「円安リスク」が完全に盲点だったので、
その落とし穴に気付かせていただけた金融セミナーには感謝しています。
手遅れになる前に海外積立へシフトチェンジ出来て本当に良かったです。
今までは海外積立と聞くと一歩引いてしまっている自分がいましたが、よくよく考えてみたら、
日本から見ればアメリカは海外ですけど、
アメリカから見れば日本が海外ですからね(笑)
グローバルな視野を持つ事で私自身の未来も明るくなりました^^