
A-book、B-bookとは?証券会社(FXブローカー)の種類
証券会社(FXブローカー)には「A-book」と「B-book」の2つの取引方式があります。
それぞれにメリット、デメリットがありますが「A-book」「B-book」を証券会社の外見から見分けるのは非常に難しく、正しく解説している記事もほとんどありません。
なのでこの記事では「A-book」「B-book」のメリット、デメリットを解説していきます。
証券会社とは個人とインターバンク市場とを繋ぐ架け橋
FXは銀行や金融機関のみが参加出来る「インターバンク市場」と呼ばれる巨大な取引市場のレートを基準にトレードが行われます。
個人トレーダーでもプライムブローカー(銀行)と契約することでインターバンク取引に参加することは物理的には可能ですが、個人レベルにはあまりにも莫大な契約コストと大きな取引量が必要なため現実的ではありません。実質的には不可能。
個人トレーダーは証券会社が提供する専用プラットフォーム(ブラウザ系やMT4など)を利用することで間接的に取引を仲介してもらっているのです。
証券会社はトレーダーとインターバンク市場を繋ぐ架け橋のような存在です。
A-book、B-bookとは取引方式の違い
全ての証券会社は「A-book」か「B-book」かの2種類の取引方式に分類され、それぞれでオーダーの処理方法が全く違います。
(仏教かキリスト教かみたいな感じで、どちらが良い悪いではない)
A-bookは仲介手数料で利益を取っている
A-bookタイプの証券会社は「トレーダーからの注文をインターバンク市場へ注文通りに流す」といった取引方式です。
トレーダーの買い注文、売り注文をインターバンク市場に仲介する際の取引手数料(スプレッド)が証券会社の利益になっています。
あなたがお友達の銀行口座に送金をした場合に送金手数料がありますよね。そんな感じです。
元来ブローカーには「仲介する」の意味があるので、証券会社(FXブローカー)本来の姿といえます。
仲介手数料で利益を取っているのがA-bookタイプの証券会社です。
B-bookはトレーダーの負け額が利益になっている
一方でB-bookは、トレーダーからの注文をインターバンク市場へ流さずに自社内で処理しています。
トレーダーには「あたかも取引が行われた」かのように見せますが、実際には全ての注文を自社の資金力だけで処理しているのがB-bookタイプの証券会社です。
いわゆる「ノミ行為」ですが、営業形態の一種であって違法ではありません。
A-bookが取引時の仲介手数料で利益を取っているのに対して、B-bookは「勝ちトレーダーの利益額」と「負けトレーダーの損失額」の差額によって利益をとっています。
分かりやすくいうならパチンコ屋をイメージしてください。
競馬でも良いです。競艇でも良いです。オートレースでも良いです。宝くじでも良いです。カジノでも良いです。
B-bookタイプの証券会社はトレーダーの負け額が利益であり、トレーダーの勝ち額が会社から見れば損失といった構図になっています。
「A-book」「B-book」それぞれの良し悪し
A-bookのメリットは経営破綻リスクが低い
A-bookタイプの証券会社は経営破綻のリスクが極めて低いという特徴があります。
なぜなら、仲介手数料が主な会社利益だからです。
トレーダーが買い注文、売り注文のいずれかの取引をした際の仲介手数料から利益を取っているので、トレーダーの勝ち負けに会社利益が左右されません。
トレーダーが勝っても取引手数料は取れるし、トレーダーが負けても取引手数料は取れます。
つまり為替の大暴落、大暴騰に経営状態を左右されないので世界情勢がどちらに転ぼうが経営破綻のリスクが極めて低いです。
リーマンショック、コロナショックなど「◯◯ショック」といった大暴落が起きたとしても経営破綻するリスクが極めて低いのがA-bookタイプの証券会社の特徴です。
投資家にとって証券会社の経営破綻リスクが低い点は大きなメリットと言えます。
どれだけ吐き出しが良くサービスしてくれる証券会社でも、会社が倒産したら意味ないですからね。
A-bookには「出金拒否」「口座凍結」のリスクが無い
A-bookタイプの証券会社では、トレーダーが勝ち過ぎても「出金拒否」「口座凍結」のリスクが無いという特徴があります。
なぜなら、トレーダーからの注文を全てインターバンク市場に注文通りに流しているので、トレーダーが莫大な利益を出したとしても利益の未払いや証券会社の資金ショートといった不祥事が起こり得ないからです。
「出金拒否」「口座凍結」のリスクが無いので、大きな資金で取引する投資家から好まれやすいのがA-bookタイプの証券会社です。
運用口座全体での入金額が増えれば取引時の仲介手数料をより多く取れるので、証券会社からしてみればトレーダーが勝ち続けてくれた方が証券会社の息も長くなります。
勝ち続けてくれればトレーダーは取引をやめませんから。その分仲介手数料を取れますよね。
(寄生虫とかコバンザメみたいな感じです。宿主が死んだら自分も死んでしまう的な)
A-bookのデメリットはハイレバ取引が出来ないこと
A-bookタイプの証券会社では超ハイレバレッジ取引(500倍、1000倍など)が出来ません。
なぜなら、インターバンク市場の源流であるメガバンクがレバレッジ5~20倍までしか受け付けていないからです。
A-bookタイプの証券会社がレバレッジを掛けて受けた注文は、流した先で買い注文と売り注文で相殺してます。
それに加えて証券会社の余剰金でトレードを行っているので、A-bookタイプの証券会社が提供出来るレバレッジはせいぜい100倍が限度です。
(厳密にはForexは100倍、XAUは50倍など取引銘柄により異なる)
なので、数百倍、数千倍といった超ハイレバレッジ取引を提供するB-bookタイプの証券会社と比較すると投資家の資金効率が低くなるといった特徴があります。
B-bookのメリットはハイレバ取引が出来ること
B-bookタイプの証券会社ではレバレッジ取引の幅が広いことが最大のメリットです。
近年では500倍、1,000倍といった超ハイレバレッジがすっかり定番になって来ましたね。
3,000倍のレバレッジを提供するFXブローカーなんてのもあるので、自己資金がたった10万円しか用意できなくても3億円分で取引が可能。
しかしこれは諸刃の剣で、当然のことながらその分比例してリスクも大きくなります。
トレーダーの負け=会社利益だから超ハイレバ取引を提供出来る
何故ここまでの超ハイレバレッジな取引を提供出来るのか?というと、それはトレーダーの負け=会社利益という構図になっているからです。
・自社内で100倍を超過するレバレッジ取引を処理出来るだけの資金力
・全体ユーザーのうち負けトレーダーの方が圧倒的に多い
上記の条件が揃っているからです。
トレーダーの9割以上が負けると言われているB-bookの現実は厳しいですが、レバレッジが高いほど資金効率が良く取引できるのは事実です。
資金力が無いトレーダーでも資金ゲーと言われるFXで「夢を見れる」のはB-bookの大きなメリットと言えます。
B-bookのデメリットは経営破綻の可能性があること
B-bookタイプの証券会社ではハイレバレッジ提供の代償として、経営破綻のリスクが常につきまといます。
なぜなら、いわゆる「ノミ行為」を行っている訳なので、実際には行われていない取引でトレーダー側に利益が出てしまった場合に、それは証券会社の損失となってしまうからです。
トレーダーの利益=FXブローカーの損失という構図です。
この構図である以上、「投資家全体の利益」が「投資家全体の損失」よりも先行し始めると証券会社の経営状態を圧迫することになります。
通常は9割の投資家が負けてくれるので勝ちトレーダーと負けトレーダーのバランスが上手く取れています。
しかし、何かしらの大変動でこのバランスが崩れた途端に、最悪、証券会社の資金が尽きて経営破綻することが有り得ます。
2015年1月にスイスフランショックが起こった際に、大暴落の末に数多くの証券会社が経営破綻しました。
この時に経営破綻したのは全てB-bookタイプの証券会社です。
トレーダーからの注文を実際にはインターバンク市場へ流していなかったので、トレーダー側に莫大な利益が出てしまったことで利益を吐き出しきれなくなったからです。
一方でA-bookタイプの証券会社ではトレーダーからの注文を全てインターバンク市場へ注文通りに流しているので、スイスフランショックが起きても経営破綻せずに生き残っています。
B-bookでは「口座凍結」「出金拒否」される
B-bookタイプの証券会社では「トレーダーの利益=証券会社の損失」という構図である以上、経営状態を圧迫する勝ちトレーダーは証券会社からすれば望む顧客対象ではありません。
なので勝ち過ぎると口座凍結や出金拒否などで追い出されます。いわゆる出禁です。
これはパチンコ屋などをイメージしてみると分かりやすいです。
パチンコ業界にもパチプロと呼ばれるパチンコで生計を立てている方々がいますが、パチンコ屋から目を付けられてパチプロ認定されると出禁にされます。一方的にです。
パチンコ屋のルールに則って、ルールの中で勝負をして利益を出しているだけなのに、「もう来ないでください」と一方的に追い出されてしまいます。
B-bookタイプの証券会社が提示している「取引規約の禁止行為」が曖昧に記載されているのは、何とでも解釈して当てはめられるようにする為だとも言われています。(後出しジャンケンみたいな感じ)
勝ち過ぎると「口座凍結」「出金拒否」などで一方的に追い出されるという部分がB-bookタイプの証券会社を利用するデメリットだと言えます。
A-bookとB-bookの選び方は「好み」
「A-book」「B-book」は経営方針の違いなので、どちらが良い悪いではなく両社のメリット、デメリットをよく理解した上での好みの問題です。
(仏教とキリスト教とどちらの方が良いのか?みたいな問題)
トレードの資金効率は悪いが、経営破綻のリスクが無いA-book
トレードの資金効率は良いが、経営破綻のリスクが常につきまとうB-book
好みで選択すればOKです。
ちなみに私はA-bookタイプの証券会社の方が好みです。
なぜなら、どれだけ資金効率が良かろうが口座凍結されてしまえば継続性が無いですし、出金拒否なんて論外だからです。
それに資金力が無いトレーダーからすれば500倍、1,000倍といった超ハイレバレッジ取引には一攫千金的な夢があるかもしれませんが、逆に言えば、
そこそこの資金力があれば超ハイレバ取引が売りのB-bookを選ばずともA-bookで十分な利益を出していけるからです。
ゼロ活が提供するPAMMはA-book
ゼロ活が提供しているPAMMは、親口座と全ての子口座の資金を合算して取引が出来るという仕組みです。
つまり親口座は、子口座の数が増え入金総額が増えればそれだけ大きな金額で取引出来る仕組みになっています。
(親口座に1億円、100個の子口座に平均100万円が入金されていれば、親口座は全てを合算した2億円で取引できる)
これは、A-bookのデメリットである「超ハイレバレッジ取引が出来ない」というデメリットを解決しています。
また、A-bookの特徴として
・証券会社が経営破綻するリスクが極めて低いこと
・勝ち過ぎても「口座凍結」「出金拒否」のリスクが無いこと
上記の理由から、ゼロ活のPAMMではA-bookタイプの証券会社を採用しています。